同じ漢字を使うことから日本語と中国語は兄弟言語だとよく思われますが、勉強が進むほど両者の相違点に違和感を覚える学習者が少なからずいるはずです。//因为使用同一个汉字或日语,日语和中文是兄弟语言,所以经常会感到困惑,但是可以勉强进行。很少有学生对两者的区别感到不协调。
それでは今日は言語類型論に基づいて両言語を対照比較してみようと思います。//那么今天我想根据语言类型论对比一下这两种语言。
まず言葉の語形変化という観点からの分類である形態的類型論で見ると、//首先从语言词形变化的观点来分类形态的类型论来看
①未来、または恒常的なテンス//未来或永恒的时态
中国語:吃
日本語:食べる
②過去のテンス//过去的时态
中国語:吃了
日本語:食べた
③現在進行中のテンス//现在进行中的时态
中国語:吃着
日本語:食べている
④否定//否定的时态
中国語:不吃
日本語:食べない
※赤字が語幹
日本語のように語幹の部分がはっきりしていて、その語幹に様々な働きをする接辞がつく構造を持つ言語は膠着語に分類されます。一方、中国語のように「了」「着」などの助詞でテンスを示したり、「不」などの副詞で否定を表したりするものの肝心な動詞が語形変化を持たない言語は孤立語に分類されます。//像日语那样词干部分清晰,其词干上带有各种作用的接辞结构的语言被分类为胶着语。另一方面,像中文那样,用“了”“着”等助词表示时态,用“不”等副词表示否定的关键动词没有词形变化的语言被分类为孤立语。
ちなみに、そのほか屈折語という第3の種類があります。語形変化するとき、語幹そのものが変わるという定義ですが、例えば英語の動詞で、「go」を過去形にしたら「went」になるのがこれに当たります。//顺便说一下,除此之外还有折射语这三种。词形变化时,词干本身发生变化的定义,比如英语动词,把“go”改成过去式的话就是“went”。
あのモヤモヤとした違和感の正体を突き止めてみました!02.mp300:0001:18
次は主語、目的語、述語など文法成分の配列、いわゆる語順という観点からの分類である統語的類型論で見ると、//接下来从主语、宾语、谓语等语法成分的排列、即从所谓语序的观点来分类的统语类型论来看
①述語の位置//谓语的位置
中国語:去博物馆
日本語:博物館へ行く
②動作が行われる場所の表示//显示要运行的位置
中国語:在博物馆
日本語:博物館で
③ボイスにおける接辞//语音接头
中国語:能去、让其去
日本語:行ける、行かせる
④名詞修飾節における被修飾名詞//名词修饰节中的被修饰名词
中国語:在博物馆拍的照片
日本語:博物館で撮った写真
※赤字が主要部
以上のように赤字の主要部が前か、後ろか、その文における位置によって、日本語はSOV、いわゆる主要部後行型とされています。一方、中国語はその反対であるSVO、すなわち主要部先行型のように思われますが、必ずしも当てはまらないということは④に挙げた例から分かります。とにかく日本語を典型的なSOV構造を持つ言語だと覚えておくといいでしょう。//如上所述,根据赤字的主要部分是前后还是句中的位置,日语被称为SOV,即主要部分是后行型。另一方面,中文被认为是与其相反的SVO,即主要部分先行型,但从④所列举的例子可以看出不一定适用。总之,要记住日语是一种典型的SOV结构的语言。
普段は当たり前のように使っている日本語と中国語ですが、実際はこんなにかけ離れているということを皆さんに納得してもらえたらと思います。//平时理所当然地使用的日语和中文,但实际上却相差这么远,希望大家能理解。
それでは、次回もお楽しみに。//那么,下次也请期待。